オタクの遊び場

この遊びをこう呼ぶ事は、後になって知った。
まず、ある程度距離をとって、二人仁王立ちで向かいあう。
ドッチボールを両手で持って、股の下にボールを持っていき、その体制からボールを相手にぶつけるつもりで投げる。
相手はそれを受け取るか、体に向かってこなければ、スルーする事もできる。
受けようと思って落としたら負けになるわけだが、投げた方が相手の体の何処にも当てる事ができなければ、それも負けになる。
つまり、動かないドッチボールのような感じだ。
その中で、面白いルールがある。
難しい方法でボールを受け取れば、次に投げる時、距離を詰めて投げる事ができるのだ。
たとえば手をクロスにして受け取れば、三歩前に進んでそのボールを投げる事ができる。
距離を詰められた分、相手はボールを受け取るのが難しくなるわけだ。
片手で受け取れば、二歩前に行ける。
ルールによっては、上手投げが許される場合もある。
このゲームは意外に決着が早く、テンポもいいので、ちょっとした休み時間などにも好まれた遊びだ。
ただ、そんなにはまった記憶はない。
つまりこれといった思い出もない。