オタクの遊び場

少年漫画と少女漫画の違いは曖昧だと思う。
一番単純に分ければ、少年誌に掲載されているか、少女誌に掲載されているかということになるわけだが、それだと『日本に住んでいる人はみんな日本人』という考えと同じになってしまうではないか。
密入国者もあっさり国籍ゲットだ。
阪神ファンは、甲子園のレフトスタンドにはいないのだろうか？
決してそんなことはない。
レフトスタンドの阪神ファンを、大洋ファンだと決めつけたら、殴り合いのケンカになってしまうのではないか。
場所だけで分けてはいけない。
やはり個別に区別要素があるはずだ。
私は考えてみた。
私は今までに、多くの少年漫画と、男性にしては多くの少女漫画を読んでいると思う。
そんな私でも、区別は凄く難しい。
たとえば絵柄で分けようと思う。
目がキラキラしていて、線が細いのが少女漫画であると言えるかもしれない。
しかし、そうでない漫画もあるし、少年少女両方のマンガ雑誌に連載している人もいるわけで、分ける要因は『絵』ではなく、『内容』であると言えるだろう。
主人公で考えてみた。
少年漫画の主人公は概ね男性だが、少女漫画だとあまり女性に限られていない。
私の持っている少女漫画を調べてみると、どうやら男性が主人公なのが多いみたいだ。
作者で考えてみることにした。
両方の雑誌で連載している人もいるから、これは最初から破綻している。
しかし概ねこれで分けられやしないだろうか。
少年漫画の作者には男性が多いし、少女漫画の作者には女性が多い。
それは、少年漫画を読むのは男性が多いから、男性の気持ちの分かる男性が描き、少女漫画を読むのは女性が多いから、女性の気持ちの分かる女性が描く。
でも、男性の気持ちが分かれば女性も少年漫画を描くし、逆も然りということか。
要するに、若い男性が好む漫画が少年漫画であり、若い女性が好む漫画が少女漫画である。
とは言っても、これもまだまだ曖昧だと思う。
実際私は、少女漫画も区別なく楽しく読んでいるのだから。
では、どんな漫画を男性が好み、どんな漫画を女性が好むのかを考えてみた。
私は主人公に気持ちを重ねて世界に入り込むので、主人公が男性である方がいい。
そして理想的なヒロインがいるのが萌える。
女性が主人公でも良いが、その主人公が理想的な女性であることは必須だろう。
となると逆もまた然りなのかもしれない。
少女漫画は主人公が女性で、理想的な相方が出てくる。
或いは男性が主人公だった場合でも、その男性が女性の理想的なものであるということだ。
そうなのだ。
男性が主人公でも、女性が主人公でも、理想的な異性がでてくることで、どちらか判断できるのではないだろうか。
アニメを見ていても、そのアニメがどちらかの原作であれば、なんとなくどちらか分かるのはそういうことかもしれない。
男性の描く理想の男性像と、女性の描く理想の男性像は違うし、その逆も然り。
でもそうなると、いくつか当てはまらない漫画が出てくる。
そういう漫画を考えると、どうやらラブコメ的なものやギャグ漫画に片寄っている気がする。
まあ例外はあるものの、だいたい見分けるポイントは出てきたのではないだろうか。
主要男性キャラが、いかにもな優しい『男の子的なキャラ』なら少女漫画で、それ以外は少年漫画。
主要女性キャラが、いかにもな『萌えキャラ』なら少年漫画で、それ以外は少女漫画。
そのバランスで考えることができると思う。
ラブコメ的ギャグ系で、男女とも理想に合わない場合は、作者や絵柄で判断する。
真面目に恋愛している場合は、少女漫画の方が多いかもしれない。
このあたりが私の結論かな。
ちなみに私が迷うポイントとなった漫画は、『昭和アホ草子あかぬけ一番』という少女漫画である。
この作者好みの男性像なのかもしれないが、ちょっと普通の少女漫画とはかけ離れている。
ただ、掲載紙は少女誌だし、絵柄は少女漫画系だし、作者は女性だし、真面目に恋愛しているから、少女漫画だと言えるんだけどね。